ツリークライミングとは

日常では味わえない「今までとは違った世界観」と出会える体験活動です

ツリークライミングは専用のロープやサドル(安全帯)、安全保護具を利用して木に登り、木や森、自然との一体感を味わうレクリエーション(体験活動)です。
「樹上から」という今までとは違う視点で森を見たり、五感を使い樹上の自然を体感すると新しい発見があります。家族や友人と同じ木に登って時間を過ごしたり、ツリーボート(ハンモックの一種)を使って木の上でキャンプをしたり、バードウォッチングや自然観察をしたりと、楽しみは無限に広がります。

子どもから大人、そしてチャレンジャー(私たちは障がいを持ち毎日がんばる人たちをチャレンジャーと呼びます)も、樹を見上げ自分の目標を立てて、自分の力で登っていく過程で、勇気や自信がわいてくるとともに、味わったことのない満足感が得られます。体験活動は自分への限りない挑戦であり、決して他人と競い合うものではありませんので自分のペースで楽しむことが秘訣です。

さあ、一緒に木に登りましょう!

活動を通して「木と友達になり、自然を大切にする気持ちを育てる」ことを大切に考えています

ツリークライミングの主役はあなただけではありません。木や森、あらゆる自然環境のすべてが主役です。ツリークライミングを体験させてもらう木に「今日は一緒に遊んでくださいね」という気持ちで森に入ります。ツリークライミングをして木と友達になり、樹上から降りてきた時には、心の中に自然を大切にする「心」が育っていくのです。

今発祥の地、アメリカでは

ツリークライミングはアメリカのアーボリスト(樹芸家)と呼ばれる人たちが、樹木を管理したり、遺伝資源を保存したりするために開発した技術で、このアーボリストにはISA(International Society of Arboriculture)という世界組織があります。
もともとツリークライミングは一部のアーボリストの技術でしたが、広く一般の人たちにレクリエーションとして楽しんでもらおうと、Peter Jenkins(ピーター ジェンキンス)氏が1983年にジョージア州アトランタにツリークライマーズインターナショナル(TCI)という組織を設立し普及させました。このTCIはアメリカを始め、カナダ、ドイツ、デンマーク、フィンランド、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、台湾、そして日本にその仲間を広げています。

日本初のレクリエーショナル・ツリークライミング TREE CLIMBING ®JAPAN【TCJ】

日本にツリークライミングを最初に運んできた第一人者、John Gathright(ジョン ギャスライト)(TCJ創立者)は、TCIでレクリエーショナル・ツリークライミングを学びました。その後、ツリークライミングを通じて人も森も元気になるようにと、2000年4月29日昭和の日(旧みどりの日)に、ツリークライミングジャパン(TCJ)を設立しました。TCJは安全で楽しいツリークライミングを普及するため、指導者育成に励んでいます。

世界初のツリーセラピー フィジカルチャレンジャーツリークライミング

ジョン ギャスライトが、彦坂利子さんという車椅子生活をしている女性と出会ったのがツリーセラピーの始まりです。ツリーハウスに住み、ツリークライミングを楽しんでいるジョンを見た彦坂さんは、「もう一度 鳥のようになりたい。」その彦坂さんの夢をかなえるため、ジョンはアメリカのTCIでレクリエーショナル・ツリークライミングを学びました。しかし、そこには障がい者に対する技術はありませんでした。帰国し独自で障がい者向けギアの開発を重ね、彦坂さんと周りに集まってきた仲間と共に、次々にツリークライミングの目標を達成させていきました。そして2001年8月、アメリカの80メートルのジャイアントセコイアに挑戦する夢を達成させたのです。それは全米でも大きく報道に取り上げられ多くのチャレンジャーたちに勇気を与えました。
日本でもNHKのドキュメンタリーになり国内外で放送されました。これがジョンギャスライトの名古屋大学大学院生命農学研究科博士課程で研究するツリーセラピー(森林療法)の一手法としても注目されています。現在も彦坂さんはTCJのフィジカルチャレンジャーのアドバイザーとして活躍しています。