第53号
                                    2000,9,25

 毎年9月24日は、ここ高家天満宮の御神輿(ごしんこう)があります。
その昔、都から太宰府に来るには、海路で瀬戸内海を進み、波の荒い玄界灘をさけて洞海湾に入りました。洞海湾の奥と遠賀川の河口とは川でつながっていて、さらに支流の西川を上ってここ高家の地で船を下り、後は陸路で太宰府まで下っていたと伝えられています。
 菅原道真が船から下りて、休憩をとったという「靴脱ぎの石」というのがここにあって、毎年この日に氏神様の御神体を神輿(みこし)に乗せて行列でその石まで運び、在りし日を偲びます。
 私が子供の頃は、夜店が建ち並び、芝居小屋まで建って大変な賑わいでしたが、いつしかそれもなくなって行列だけの寂しい御神輿になっていました。
 そこで昔の賑わいを少しでも取り返そうと、数年前から有志が立ち上がって夜店を開いています。おでん、焼き鳥、酒類、ジュース、ホットドック、おもちゃ、くじ・・・・出店数も年々増えて、参拝者も賑わいを取り戻してきました。

生態系を破壊する遺伝子組み換え合成生物
 同じ親から生まれた兄弟でも、皆それぞれ性格が違い能力も異なります。その次の世代の子供たちはさらに枝分かれして変化していきます。これは我々人間だけのことでなく、多くの生き物が太古の昔から繰り返してきた種族の保存の手段なのです。それは地球の環境の変化やウィルスなどの病気から種を守るテクニックだったのです。この変化した環境や新しいウィルスに対して抵抗力のあるものだけが生き残り、彼らだけがその子孫を増やします。そしてまた次の環境の変化に備えて少しづつタイプが違った子孫を用意することで種を守ってきたのです。これを進化と呼んでいるのです。
 この壮大な世代交代による環境への順応の積み重ねによって今の生態系が形作られているのです。そして、お互いに作用し合いながら微妙なバランスの上に成り立っているのです。決して人間だけが生存できることなどあり得ない世界です。

 今ここに遺伝子組み換えという技術を使って、何十億年もかけて築き上げた生態系の種の壁の秩序を、愚かなこの人間の手がかき乱し始めたのです。

 癌やC型肝炎の治療に使われるインターフェロンは大腸菌に人間の遺伝子を組み込んで作られます。 臓器移植用に豚に人間の遺伝子を組み込むというのもあります。 食物吸収の効率を上げるために、養殖魚に人間の遺伝子を組み込むことも公然と論議されています。
 植物の世界では、稲をはじめ大豆、トウモロコシ、ジャガイモなどあらゆる作物で研究や実用がなされています。
 虫がかじると死んでしまうキャベツや大根、白菜などを開発すれば種をまくだけで収穫が出来ます。飛びつく農家も多いことでしょう。

 これらは全て特許や利権が絡んだ商業目的として、激しい開発競争が繰り広げられているのです。
 しかしその一方で、それらが生態系に与える影響などは深く追求されていません。それによって激減したり、絶滅する生物はいないのか、種の壁を越えた合成生物を作り出すことで、それぞれに絡むウイルスや病気までもが互いの種の壁を越えて進化してしまい、思いもしないウィルスに感染しはしないかなど大変危惧されるところです。

来月からは新米の予定です
 今年は、おいしいと言われる品種を色々作ってみました。その味を食べ比べて批評して下さい。今後の作付けの指針にしたいと思います。

 下はお飾り用の「みどり糯」の穂の出です。
  

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